2008年11月26日
泣くのをおやめ

泣くのをおやめ
自分を嘆くのをおやめ
そんなにあなたは弱くない
そんなに人生はつらくない
あなたが泣くのは きっと
いままでのこだわりと決別するため
あなたの未練と決別するため
泣き虫で弱虫の あなたと決別するため
わがままで意気地なしの あなたと決別するため
そんな演技も もうお終(しま)い
いつまでもぶりっこでいられないから
あなたは知っています
あなたの中のささやきを
いつまでもひな鳥でいないで
翼を広げて飛びなさい
あの大空は あなたが飛ぶために用意されている
あの大海原は あなたが夕焼けを見るために用意されている
あなたに足りなかったのは
ほんの少しの勇気だけ
あなたが 翼を広げれば
風があなたを空へ運んでくれる
勇気を出しなさい
翼を広げなさい
いつもあなたの中から聞こえる声
日増しにはっきりと聞こえます
既に仲間たちは巣立ち
親鳥も飛び立っていきました
ここにいつまでいても
お腹は空(す)くばかり
もう誰もあてにはできません
遥か高い空を 最後の群が南へ向かっています
ここから離れたくないけれど
最後の身づくろいをします
さあ 羽を広げなさい
その声に合わせて羽を広げます
さあ 飛び立ちなさい
その声を頼りに巣から飛びます
その瞬間 風が翼を支えてくれました
上昇気流が 高い空へ届けてくれました
目の前に 同じ鳥が一列になって飛んでいます
あなたは その最後につきました
仲間と共に 一心に翼を羽ばたきます
真っ直ぐに首を伸ばして 南を目指します
これでよかったのです
あなたは鳥だからです